2016年06月27日

医療遠隔通訳システムが大活躍

新宿にナビタスクリニックがオープンして、もうすぐ丸三ヶ月が経ちます。少しずつクリニックを利用される方が増えてきました。立川や川崎とは異なる医療ニーズが多いように感じています。

日本語を話さない方の受診が多いです。
新宿駅に立地し、かつ巨大バスターミナルであるバスタ新宿最寄りですから当然なのでしょうけれど。今のところ週に数名ですが、おもに近隣のホテルに宿泊されている中国語圏からの渡航者が、ホテルにクリニックを教えてもらって来院されます。

主に家族連れで、お子さんの体調不良での受診が多く、旅行中なので「あすディズニーランドに行って大丈夫か?」など具体的な質問をいただくことが多いです。

風邪と診断し、説明する場合。
風邪はウイルス感染症ですから、特効薬はありません。安静が一番です。さらに、旅行で疲れているでしょうから、普段より治りは悪いと思います。でも、折角の旅行ですから、頭ごなしに休みなさい、とは申しません。今日はホテルで休んで、明日の朝の様子で決めて下さい。だるい、食欲がない様であれば、明日も休んで回復を図ることをお勧めします」などと説明します。

翻訳をグーグルに頼んでみると
由于感冒是病毒感染,没有银弹。剩下的就是最好的。此外,你就行更累,愈合比平常我觉得不好。但是,因为这是比较麻烦的旅行,请大家在Atamagonashi ,我也没有。今天是休息的酒店,它应该在明天早上的状态来决定。无精打采,如果这样的没有食欲,所以建议以实现恢复静止明天
となります。

これをもう一回グーグル先生に日本語にしてもらうと
風邪はウイルス感染であるので、特効薬はありません。残りは最高です。また、あなたは私が悪い感じ癒すためにいつもより疲れて行います。これは旅行にあまりにも面倒なのでしかし、 Atamagonashiで、私はしませんでしたしてください。今日は、ホテルの残りの部分で、それが決定する状態明日の朝にする必要があります。そのような食欲がない場合は物憂げな、ために、明日まだ回復を達成するためにすることをお勧めします
となります。

グーグル先生だけに頼むのは不安です。時には、患者さんが片言の日本語を話す通訳者さんを連れてこられることがありますが、どのように通訳されているのかが不明で、甚だ不安です。

当院では医療遠隔通訳サービス『メディフォン』を採用しています。8カ国語(英語・中国語・韓国語・ベトナム語・ポルトガル語・スペイン語・ヒンディー語・ロシア語)に対応しており、通訳の品質管理も行われています。

細かいところまで質問されても、しっかり答えて差し上げられるので、皆さん納得して診察を終えることができます。

旅行者の方が日本に来てから契約できる旅行保険がもうすぐ発売されるそうです。この保険を契約すると、メディフォンによる医療通訳サービスを利用できます
もしご友人が日本を訪問される場合は、この旅行保険をお勧めいただくと安心ですね。
posted by 久住英二 at 13:35| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療の周辺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月21日

日本の虫よけ薬に漸く進歩が

これまで、さまざまなメディアを通じて、日本の蚊よけが弱すぎて使えない!という話をしてきました。

スクリーンショット 2016-06-21 08.33.05.jpgスクリーンショット 2016-06-21 08.34.24.jpg日刊ゲンダイ20160610虫除けforBlog.jpg


デング熱、ジカ熱、チクングニア熱全てを媒介するヒトスジシマカは、まさに今活動期を迎えています。ウイルスは感染者が持ち込み、それを蚊が媒介します。デング熱、ジカ熱は不顕性感染(感染していても症状がでない)の人が多く、自覚的には全く健康な international traveler がウイルスを持ち込み、その人が蚊に刺され、その蚊が他者を刺すことで感染が拡がっていきます。

ジカ熱の流行国は増えているので、感染してウイルスが体内にいる状態の人は、すでに何人も日本を訪れているはずです。
なぜなら、海外渡航した日本人が帰国後に発症している例が多数出ているからです。流行国に住んでいて感染している人が日本に来ているケースも数多あると考えるべきでしょう。
http___ecdc.europa.eu_en_healthtopics_zika_virus_infection_zika-outbreak_mapszika_Zika-map-past3months-historical-worldwide.png

ジカ熱の流行地帯マップ(European CDC ページより

デング熱はワクチンが開発されていますが、以下の問題点があります。
1)デング常在国でない日本人が接種した場合の有効性が不明
  ーワクチンの臨床試験は、すべて流行国で実施されている
  ーすでに免疫を有する人が一定割合いる集団での有効性は、デング熱ナイーブの日本人には外挿できない
2)接種数年後で免疫が減弱した際にデング熱に感染した時の重症化リスクが不明
  ーデング熱は中途半端に免疫があると症状が強くなるので
  ー流行国では定期的にウイルス感染するので、免疫が保たれる

チクングニア、ジカ熱のワクチンは、まだ開発中です。あと何年もかかると予想されます。
ということで、今のところ最も確実な対策は「蚊に刺されないこと」です。

蚊に刺されないための対策
1)肌を露出しない(長袖、長ズボンの着用)
2)淡色や明るい色の服を着る(蚊は黒い色がだーい好き)
3)虫よけ剤を使う(DEET, Picaridin = Icaridin)
4)窓は開放せず網戸、できればエアコンで空調 → なければ蚊帳も
5)蚊取り線香など使う(有効成分の濃度が低ければ効かない)

いままでの日本では、DEET は最高濃度が 12%、Icaridin が 5% で、3時間ほどで効果が切れていました。
かつ、薬液の皮膚への付着が少ないスプレー製剤が好まれるので、さらに効果が現れにくいという二重苦でした。
結果として  虫よけ効かない → 使わない  という残念な選択をする方が少なくありませんでした。

ところが、先日、厚生労働省 Good Job ! という通知が発出されました。
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アース.jpg

発売は今年の盛夏には間に合わないかも知れないけれど、日本の虫よけが漸く一歩前進することを、嬉しく思います。

アース製薬さんには
 1)スプレー製剤でなく、液体ポンプもしくはローションタイプ
 2)ウォータープルーフの製剤
                    の開発を期待しています。
posted by 久住英二 at 16:21| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月16日

妊娠後期のジカウイルス感染

Zika Virus Disease in Colombia − Preliminary Report


小頭症の原因となるジカ熱、もしくはジカウイルス感染症(ZVD)は、妊娠後期に感染しても、胎児の小頭症は起きない可能性が高い、コロンビアから報告がありました。

A total of 11,944 pregnant women with ZVD were reported in Colombia, with 1484 (12%) of these cases confirmed on RT-PCR assay. In a subgroup of 1850 pregnant women, more than 90% of women who were reportedly infected during the third trimester had given birth, and no infants with apparent abnormalities, including microcephaly, have been identified. A majority of the women who contracted ZVD in the first or second trimester were still pregnant at the time of this report.

妊娠後期に ZVD を発病した 1850 人のうち、90% が出産し、現時点では小頭症などの明らかな先天性障害は認められなかったそうです。

他の先天奇形を生じる感染症(TORCH 症候群)も、妊娠初期ほど問題が生じやすい、ということが知られており、ジカ熱も同様の振る舞いをする可能性があります。風疹では、妊娠20週までの感染で、何らかの先天性風疹症候群が生じることが知られています。

ただし、妊娠前期、中期に ZVD を発病した妊婦達は、まだ出産時期を迎えておらず、どの時期までが安全なのかは未だ分からない、という経過報告です。
posted by 久住英二 at 08:40| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 感染症 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする